BtoBマーケティングを行う企業で、マーケティングとセールスの間に「インサイドセールス」を取り入れる動きが広がっています。

シャノンでは、インサイドセールスの業務をマーケティング部門で導入。顧客一人ひとりの属性・履歴を踏まえ、電話・メールでフォローし、一対一でお客様と接しています。

そんなシャノンのインサイドセールス立ち上げのストーリーについて、シャノンマーケティング部部長の村尾がお話しさせていただきました。
※この記事は、「SHANON BtoB Marketing Conference 2019」で発表された内容を再編したものです。

シャノンマーケティングチームの立ち上げが成功したと言えるまで

現在のマーケティングチーム(図:ver3)は、マネージャー(私)・インサイドセールス4名(図の黄色部分)・マーケットコミュニケーション3名(図のグレー部分)、合計8名。

初年度(図:ver1)はマネージャー・新卒社員・私の合計3名、次年度(図:ver2)はインサイドセールスが1名増えて合計4名でした。

そんな初期の少ない人数の中で、アポ獲得数は、初年度で昨年対比171%達成。次年度は、205%を達成しています。

伸び率からも分かるように、インサイドセールスの立ち上げは成功。しかし、成功といえるまでは悪戦苦闘の連続でした。

【インサイドセールス立ち上げ1年目】電話を「かけきる」ことでデータ収集

先述した通り、初年度のメンバーは、マネージャー・私・新卒の3名。データもルールも知識もほとんどない状態です。

このような状況で電話をしても、なかなかアポが取れるものではありません。そこで、アポの獲得率を上げるため「比較検討」フェーズのお客様から着目することに。広告運用などのデジタル施策に取り組み、資料請求の数を増やすアプローチから始めました。

その結果、昨年対比で資料請求数は248%、2017年は324%にまで増加。1日1件ない日もあった資料請求が、1日に2〜3件来るようになりました。

とにかく電話をかけきることを意識

さらに伸び率を増やすため、次にとにかく電話を「かけきる」を意識しました。具体的には、以下の3つのポイントを実践。

  • ぜんぶかける
  • つながるまで、かける
  • 今じゃないといわれたらそのときを聞いて、かける

「この人はターゲットなのか」など考えずに「ぜんぶ、かける」。たまたま先方が不在だった場合は「つながるまで、かける」。さらに「タイミングが今じゃないんだよね」と言われたら「いつならご検討いただけますか?」と聞いて、そのときにもう一度かける。この3つのアクションを徹底してきました。

BtoBマーケティングにおいて、作成したリストをすべてフォローしきるのは難しいでしょう。そこで、「1日10人と話す」と応答人数でKPIを設定し、アプローチを続けてきたのです。

応答人数という「結果」をKPIに設定したのは、改善のサイクルを回しやすいから。

通常インサイドセールスのKPIは、アポ数や売り上げといった「結果」です。しかし、メンバーに知識も経験もない状況で、「結果」をKPIにすると、達成までの道筋が描きにくくなります。ゴールが見えにくいと、数値の改善が難しくなるため、改善できる数値の「行動」をKPIにしました。

実際、電話をかけきってみると、さまざまなデータが集まってきました。例えば、資料請求からの応答率はおおよそ80%。この値をキープし続け、アポ獲得率は半年で35.9%から53.0%にまで上昇しました。

「仕組み化」と「アナログ」両方で業務プロセスを改善

<村尾さんご登壇写真>

応答人数KPIを守るため、毎日多くの電話をかけていると、新しい問題が見えてきました。やみくもに数をこなすと、モチベーションが下がり、根性だけでは継続が難しくなったのです。そのため、業務プロセスの仕組み化を検討することに。

そこで、一部は仕組み化し、メンバーの成長をサポートするための改善はアナログにしました。具体的に3つのポイントを説明していきます。

1.お客様ステータスのデータを取る
ひとつ目の仕組み化として、電話後の対応が不明確であったため、お客様のステータスのデータを取ることにしました。

まず、お客様をA/Bで分けることに。バントが切れているお客様はA、バントは切れていないけど営業によっては受注するかもしれないお客様はB。

そして、営業アプローチとして3つに分類しました。1カ月以上継続的にフォローする「継続フォロー」、タイミングが今ではない「アーカイブ」、対象外の「コールド」。これらのデータを蓄積して、営業が効率的にアプローチできるようにしました。

2.ヒアリング時のルールを決める
ふたつ目の仕組み化として、ヒアリング時のルールを定めました。インサイドセールスはインバウンドのお客様に対応するので、電話時にお客様の情報を詳しく知る必要があります。

そのため、「事前に何を調べておくべきなのか」「お客様から何を聞かないといけないのか」をルール化。聞いた内容のデータを取るようにしました。

3.新卒メンバー育成のため週報を提出する
3つ目の仕組み化は、新卒メンバーの週報提出。お客様からの質問がハイレベルになり、新卒メンバーが質問内容を十分に理解しきれていませんでした。そこで、自身の学びにつながった内容を週報に書き、アナログで知識を蓄積することにしたのです。

このように、仕組み化とアナログな方法を組み合わせた結果、アポ獲得率は昨年対比171%まで成長。営業のみでインサイドセールスをしていた時期と比べ、約1.7倍のアポイントが取れるようになりました。

【インサイドセールス立ち上げ2年目】チャネルを増やして、架電対象を拡大

アポの獲得数が増えてきたので、チームのメンバーが増え、マーケティング部門は合計4名に。人数が増えたため、電話をかける対象を増やすことが最初の課題でした。

しかし、今まで通り「比較・検討」フェーズのお客様を増やし続けることは、現実的ではありません。購買ファネルの下層も獲得コストが高くなるため、購買ファネルの上層のお客様にフォローをしました。

具体的には、資料請求チャネルに加え、セミナーやイベント、ホワイトペーパーのダウンロードを追加。チャネルを合計4つに増やし、電話をかける対象を増やしました。

架電の優先順位を決めようにもデータがないため、前回と同じ方法で、膨大な量のリストに電話を「かけきり」ました。

その結果、セミナーの20〜30%はアポイントにつながり、イベントやホワイトペーパーは振れ幅があることが判明。

これらのデータを踏まえて、架電の優先順位を「資料請求>セミナー>イベント(ホット)>ホワイトペーパー(ホット)>イベント(ウォーム)>ホワイトペーパー(ウォーム)」と決めました。その結果、順調にアポイントの数は増加したのです。

ハウスリストの掘り起こしで、費用対効果の問題を解決

次なる課題として、費用対効果の問題が出てきました。これまでのアプローチは、問い合わせ対応やホワイトペーパーなど、コストのかかるインバウンドに偏重。そこで、インバウンドへの依存から脱却するため、ハウスリストを掘り起こすことにしました。

ハウスリストマーケティングのポイントは、費用対効果が高いこと。

例えば、1500万円を使った施策の場合、すぐに100件のアポイントにつながると、アポイント単価は15万円です。

そこにハウスリストを使って20件新しく掘り起こし、アポイントを獲得できたら、獲得件数は120件になります。結果、アポイントの獲得単価は12.5万円に。

費用対効果を見ると、コストは27%削減。運用型広告で達成するのは不可能な数値のため、費用対効果向上のためのハウスリスト活用は、有効な施策といえるでしょう。

さて、シャノンには当時4万件のハウスリストがありました。自社のシステムで管理していたとはいえ、どう掘り起こすべきか分からない状態。加えて、メールを見てイベントに参加したり、資料請求をしたり、お客様の行動はさまざま。どのお客様にアプローチをするか、優先順位を決めきれませんでした。

そこで、これまでと同様、膨大なリストに対して電話を「かけきり」ました。そこで集まったデータから、資料請求者よりセミナー参加者の方がアポイント獲得率が高いことが判明。掘り起こしは、オフラインの接点を持つ人から行うことにしたのです。

その結果、アポイント獲得率は昨年対比1年目で171%、2年目で205%達成。掘り起こしにより獲得コストも低下したことで、インサイドセールスチームは社内でも高く評価されました。

新たな課題「組織の成長」の解決法

目標達成と同時に、組織の成長という新たな課題も発見。目の前の数値に追われるあまり、組織を成長させることが後回しになっていたのです。

そこで、経営陣と話し合い、インサイドセールスのあるべき姿を決めました。

具体的には、「数値管理」「教育」「資料などの武器」「ターゲット」という4つのカテゴリーごとにあるべき姿を列挙。優先順位をクォーターごとに分け、計画的に取り組んでいきました。

結果、すべてが成功したわけではありません。しかし、方向性を明確にしてスケジュールに落とし込むことで、組織を飛躍させられました。

インサイドセールスを巡る「量と質」の問題

インサイドセールスと「量と質」の問題は、切っても切れない関係にあります。量を取れば質が悪いと言われ、質を取れば量が少ないと言われ、量と質は二項対立になりやすい問題なのです。どちらを優先するべきか、悩む方も多いでしょう。

私は、インサイドセールスの評価を「量」で行うことをおすすめします。一生懸命取り組んでリードを獲得できても、その後営業に引き継ぐことにより、ゴールがどうなるのか見えなくなります。すると、メンバーは歯がゆい思いをすることに。

そこで、まずは量で評価をし、達成感を感じてもらう。そして、量が見えてきたタイミングで、質も評価に加える方法が最善だと思います。

アポ獲得以外のインサイドセールス導入のメリット

インサイドセールスの大きなメリットは、アポイントを獲得できる点。他にも、メリットといえる点が2つあります。

ひとつ目は、属性と履歴を把握し、キャラクターに沿ったコミュニケーションを取れること。メールのみのアプローチでは、実現が難しいでしょう。

ふたつ目は、タイミングがコントロールできること。例えば、営業の繁忙期にアポイントが取れそうな場合「来週お電話します」と伝え、時期を調整できるのです。

インサイドマーケティングには「データ管理」が必要

今回のお話のポイントは、以下の3つ。

① インサイドセールスとは「1to1マーケティング」
② 「実行力」と「仕組み力」は両方必要
③ 顧客に価値を届けるマーケティングに、インサイドセールスは必要不可欠

インサイドセールスに取り組むには、データ管理が必要不可欠です。インサイドセールス部門を立ち上げようと思っているなら、データ管理の効率化のため、シャノンマーケティングプラットフォームを活用いただければと思います。

ゆるりとさま

「継続率99%」、これはマネーフォワードクラウドシリーズなど年間数百本の動画を制作している株式会社ゆるりとで、動画制作受注後に依頼が継続された比率です。「動画を創って終わり」ではなく「動画を創るところがスタートライン」として、クライアントの動画マーケティングを支援しています。

BtoB動画の制作経験が豊富な株式会社ゆるりとの金田悠平さまより、BtoB動画マーケティングとBtoC動画マーケティングの違い、BtoB動画マーケティング動画を制作する上でのポイント、失敗・成功体験から得たヒントなどを語ってもらいました。

※この記事は、「SHANON BtoB Marketing Conference 2019」で発表された内容を再編したものです。

※2019年3月12日時点での内容です。

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2019年1月初旬に「企業と顧客を人とICTのチカラでつなぐ」というコーポレートメッセージを掲げた富士通コミュニケーションサービス株式会社(以下CSL)は、1月下旬にはパートナー企業であるシャノンとの業務提携を発表しました。

両社の業務提携には“利益を越えた目標を持って新たな価値を生んでいく”という想いが込められ、これを「共創」と呼んでいます。「共創」が目指す業務提携とはどんなものでしょうか?CSLの於久佳史様をお招きし、CSLが今取り組んでいることを各種事例を踏まえてご紹介いただきました。

※この記事は、「SHANON BtoB Marketing Conference 2019」で発表された内容を再編したものです。

※2019年3月12日時点での内容です

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動画でのプロモーションを行うBtoB企業が増える中、多くの企業に選ばれているタクシーデジタルサイネージ広告『Tokyo Prime』。従来のコンプレックスの広告が多く出稿されていたタクシーのイメージを一新し、快適な乗車空間を提供することを目指す株式会社IRISが提供しています。

イベントでは、株式会社IRISのSales Director神﨑嶺平さまに『Tokyo Prime』について、事例を交えてご紹介いただきました。

※この記事は、「SHANON BtoB Marketing Conference 2019」で発表された内容を再編したものです。

※数値等の情報は2019年3月12日時点での内容です。

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マーケットワン様

ランディングやコマーシャル、マーケティングリサーチなど、トピックが多岐にわたる「グローバルマーケティング」。自社の売り上げに直結するようなグローバルマーケティングを行うには、何が必要なのでしょうか。

ITや製造業のBtoBグローバルマーケティングを支援している、マーケットワン・ジャパンのシニアディレクター大橋慶太さまにお話しいただきました。本社主導のグローバルマーケティングにおいて必要な要素と、求められる能力について解説しています。

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2018年11月13日(火)、NPO支援サービス展示会「 BUSINESS to NPO World 2018 <秋> 」が開催され、弊社からもブース出展させていただきました。

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