12月22

マーケティング予算の配分は、目標から逆算した『正確な計算』が必要?

マーケティングの戦略や手法が複雑化・多様化すると同時に、予算配分に頭を抱える企業も少なくないでしょう。

デジタル広告、Webサイト改善やPRなど、実施する施策の選択肢は多岐にわたり、すべてを実施するには多大なマーケティング予算が必要になります。適切量の予算を見極めるには、どうするべきでしょうか。

今回の記事では、シャノンの事例をもとに、マーケティング部門への予算配分や適切なMRR(月次収益)、CAC(顧客獲得単価)の設定方法の要点をまとめました。

マーケティングの予算配分でおさえておくべき6つの要点

1. 企業の売上目標を正しく知る

マーケティングの予算額を決める上でもっとも大切なのは、会社の売上目標を正しく把握することです。全体目標を念頭に置かずして、効果的な予算組みをすることはできません。

シャノンでは、組織の各セクションに対して目標数値が設定されています。これらの目標数値は、会社全体の売上目標から逆算して設定しています。

加えて、各セクションの目標数値を営業メンバーの数で割った、一人あたりの売上目標があります。マーケティング部全体では、MRR(月次収益)とアポイント獲得数、CAC(顧客獲得単価)を追っているという状況です。

シャノンのマーケティング部の場合は、売上目標に基づいた必要アポイント数を達成するために必要な人件費、広告宣伝費等を計算します。

2. 売上モデルを知る

売上モデルとは、目標金額に対してどのような施策を立てるかを考える上で指標となる数値を導き出すための計算式です。何を何個売ればいいのか、また、何人動けばいいのか、掛け算の繰り返しによって、マーケティング部の目標が定まります。

まず売上は、以下のように商品やサービスの単価とその販売数の乗算で算出されます。

売上=単価×販売数

複数の価格帯の商品がある場合は「売上=単価×販売数+単価×販売数……」と計算します。この記事では単一価格の単一商品を扱っているものとして説明を進めていきます。

売上固定されているのだとしたら、販売数を稼がなければなりませんよね。販売数の目標は以下のように算出されます。

販売数=案件数×受注率

上記を踏まえると、

案件数目標=販売数目標÷受注率

という式が成り立ちます。

3. 過去の受注率を参考に、案件数の目標を設定

マーケティング部にとってもっとも重要な案件数の目標は、過去実績から割り出した受注率をもとに決定されます。

年次の売上目標が1億8,000万円であると仮定します。単価150万円の商品のみを扱っているとすると、目標到達に必要な販売数は120です。

1億8,000万円=150万円×120 (売上=単価×販売数)

過去の実績から当該年度の受注率を最小20%であると予測した場合、120の販売数を達成するのに必要な案件数は最大600件となります。

120=600×20% (販売数=案件数×受注率)

4. リード獲得単価(CPL)目標を算出する

案件数の目標に基づいて、リード獲得単価を算出します。
その前に、リードを創出する手段を検討していきます。主な例として、「広告」「オーガニック流入強化」「見込み顧客のフォロー」の3つを挙げます。

  • 広告
  • GoogleやFacebookに掲載するリスティング広告、イベントや展示会を通じて見込み顧客を獲得するリードジェネレーションなど。

  • オーガニック
  • ブランドにまつわるキーワード等で自然流入してくるタイプのもの。広報PRや、見方によってはWebサイトの改修費なども含まれる。

  • フォロー
  • 見込み顧客に適切なタイミングでメールなどを送り、商談につなげるもの。リードナーチャリングがこれに該当する。

    各手段のリード獲得単価を推測します。

    例えば広告で100件のリードを獲得するとした場合、広告のクリック単価が100円で、CVR(案件化率)が10%だとすると、100件÷10%×100円=10万円かかることになります。この場合、リード獲得単価(CPL)は1,000円です。

    このような計算で、広告、オーガニック、フォローの案件獲得単価を推測し、アプローチできる母数の制限や、人員の制限、過去の実績等を踏まえながら、現実的に達成できる範囲で比較検討して、リード創出手段それぞれへの投下予算を決定していきます。

    投下予算が決定したら、全体平均の案件獲得単価を出します。

    5. 顧客1人を獲得するのに必要な、全コストを算出する

    顧客獲得単価(CAC)を算出するには、広告などの案件獲得費用だけでなく人件費なども考慮した上で計算を行います。計算方法は次の通りです。

    CAC=(一定期間の広告・人件費)÷(一定期間の顧客獲得数)

    シャノンの場合は、「営業1人あたりいくらかかったか」を軸に人件費を算出しています。マーケティング活動に掛かったコストのみではなく営業部の人件費もマーケティングコストとして計算できます。

    さらに、人件費の計算を実際にシュミレーションします。

    マーケットコミュニケーション担当(マーコム)2人、インサイドセールス4人、営業部10人が稼働したとします。各一人あたり人件費を40万円とした場合、営業部1人につき、マーコムの人件費は8万円、インサイドセールスの人件費は16万円かかることになります。

    これまでに出した各数値を、月間/年間、営業1人あたり/営業全体で分けて、マーケティングの予算としてまとめます。図は簡略化していますが、「獲得費」の内訳は細分化するとよりわかりやすいでしょう。

    6. 経営陣と議論し、最終決定する

    予算案が完成したら、経営陣とすり合わせを行います。目標設定は正しいか、受注率は甘く見積もっていないかなど各項目を検討していきます。担当者は各項目がなぜその数値になっているかを説明できるようにデータやエビデンス資料を用意しておくことが重要です。

    会社の売上や利益に貢献するか、または長期的な経営計画に沿った予算配分になっているかという視点を持つ経営陣と予算案をすり合わせていき、予算配分を最終決定しましょう。目標を立て、実際に施策を行う段階でも、状況に応じて目標を見直します。

    マーケティングの”目的”を考えれば、正しい計算が必須

    日頃マーケティングのことを考えていたら、いかにリードを獲得するかという思考になってしまいがちですよね。しかしマーケティングは手段にすぎず、目的ではありません。マーケティング部がするべきことは、ビジネスを成長させるためのマーケティング活動です。マーケティング部の目標や予算は、経営陣が描くビジネスゴールと密接に連動させなくてはなりません。

    シャノンのマーケティング部はかつて、「資料請求数」をKPIに設定していました。デジタル広告やオーガニック流入増加施策に予算を投入し、実行したところ、資料請求数が格段に伸びたのです。しかしそこで得たリード顧客の多くは、コンバージョンに至りませんでした。もちろん、会社の業績も伸びません。

    現在はKPIを資料請求数からCACに変更したことで、会社の売上目標や人件費からマーケティングに割くべき適切な予算を算出するという体制を作っています。

    デジタル広告やオーガニック施策だけではなく、アナログのイベント開催などへ予算を回したことで、会社の売上が大きく向上しました。

    また、一度立てた目標は追い続けるだけではなく、改善が必要です。複雑な予算管理をする上では、マーケティングオートメーションツールを使うのがおすすめです。

    シャノンが提供する『シャノンマーケティングプラットフォーム』では、KPI設定や予実管理が可能なゴール機能で目標の達成度合いが社内で簡単に共有できますので、ぜひ資料をダウンロードください。

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