12月3

デジタルにも「対面の力」を。マーケティングDXを進める関心引き上げウェビナーとは

関心層から引き上げるためのシナリオ

前編では、マーケティングDXの全体像と、重要なポイントである「隠れ検討層の獲得」について解説しました。
後編では、もう一つの重要ポイントである「関心層の引き上げ」について解説します。

マーケティング施策を実施するたびに、興味関心層は増えますが、そのまま何もしないと、データは増えていくだけです。また、資料請求やホワイトペーパーのダウンロードをおこなった人も、そのままでは先細りして興味・関心層に下がってしまいます。

言い換えれば、興味関心層は顧客リードでもっとも増大し易い反面、放置すれば「宝の持ち腐れ」になってしまうのです。

この興味・関心層の引き上げが、マーケティングDXのもう一つの重要な柱です。

「対面の力」を取り込む

とはいえ、興味・関心層へのアプローチというのはマーケティングにおいては非常に難しいのです。なぜでしょうか?

BtoBの製品サービスというものは何かの課題を解決するためのものです。購入いただくためには、お客様の持つ課題の解決に役立つということを理解してもらう必要があります。ところが、興味関心層のお客様は、自身の解決すべき課題を明確に設定していない場合が多いのです。

前編のAさんの場合のように、営業・マーケティングのやり方を変えるという方針がある場合でも、たとえば、マーケティングオートメーション(MA)などのツールの導入から始めるべきか、マーケティングのリソースを減らしてインサイドセールスやフィールド営業にシフトするべきかなど、施策の優先順位がつかないケースが多いのです。

「課題がたくさんあるが優先順位がつけられない」「何から始めて良いのかわからない」――こういうお客様に対しては、デジタルの施策だけでは弱いと言えます。

ここでは人を介したアナログな「対面の力」を再度見直すべきです。コーネル大学の実験結果によると、まったく見知らぬ人に同じセリフでコミュニケーションを取る場合でも、メールで聞くのと、面と向かって聞くのとでは成功率がかなり違うという結果が出ています。対面によるコミュニケーションの場合は、メールの34倍効果的だというのです。

前編の「紙のDM」もそうですが、マーケティングDXと言いながら、アナログの重要性を説くのは、矛盾していると思われるかもしれません。

しかし、急成長したインターネット企業の多くが、ごりごりの営業体質で強力なテレアポチームを持っていることは事実です。彼らは、インサイドセールスの最新の手法を駆使しながらも、商談の重要段階では、「人による営業」を重視し、対面によって顧客が気づかない課題を明らかにすることで、商談に持ち込んでいるのです。

課題設定型のウェビナーを展開する

「興味関心層のお客様に対面で引き上げる」とはいっても、コロナの状況では、訪問営業はままなりません。最近では、ZOOMなどのオンライン商談も重要視されますが、潜在顧客の人に対して、1対1のオンライン営業のアポを入れるのは敷居が高いのも事実です。

この場合有効なのは、課題解決型のウェビナーを開催することです。

従来のオフラインでの展示会やセミナーに変わる施策としては、オンラインのイベントやカンファレンスがあります。イベント会社や媒体社が主催するこうしたイベントでは、大量のリード獲得を目的として製品のお披露目(認知)や会社のブランディングがおこなわれます。またベンダー自身も大量集客型のイベントを定例的におこなってきており、最近ではオンライン型で開催されます。

「課題解決型のウェビナー」は、こうしたカンファレンスやイベント型のものよりは、もう少しユーザーの課題にそった具体的なテーマにフォーカスし、できれば課題にわけて連続で開催することが望ましいといえます。

内容もトレンド解説的なものではなくまたタイトルやワーディングも「〇〇○(製品名)のご紹介」といった製品中心ではなく、ユーザーの持つ課題への解決や導入に伴う障壁の克服など、具体的な内容が効果的です。

実際にシャノンがおこなっている課題解決型のセミナーの構成をスライドの枚数を例にご紹介すると、自社がどのような課題を抱えていたかの「Why」のスライドと、それに対してどのような方法で解決したかの「How」のスライドがそれぞれ十数枚で、解決する製品の紹介のスライドは3枚という構成です。

シャノンでは、従来の製品紹介型に加えて、このような課題解決型ウェビナーも実施するようになってから、受注企業の8割のお客様に視聴いただくようになりました。
そして開催後は、アンケートの内容をマーケティングや営業のチームと共有し、提案に活かしています。

関心引き上げウェビナーで、費用対効果を上げる

例えば、「興味関心層の引き上げ」をおこなわずセミナーを数回くり返す場合を考えてみましょう。予算100万円を使い、100件のリードを獲得し、10件の商談を作れたとします。この場合の商談単価は10万円です。2回目も同様におこなった場合、累計の予算は200万で累計の商談が20件で、商談単価は同じ、3回目も・・・と同じ費用対効果の反復になります。

次に、「興味関心層の引き上げ」を行う場合、1回目は同様ですが、2回めは100件のリードに対する10件の商談に加えて、累積した180件のリードに対して2件の引き上げ商談が得られました。この場合、合計費用200万円に対し12件の商談が得られ、費用対効果も向上していきます。つまり、リードはストックで積み上がり、費用対効果の面でも向上していくのです。

プロセスを回すことが目的ではない

ここまで、「興味・関心層の引き上げ」をご紹介してきましたが、注意していただきたいのは、こうしたプロセスを回す事自体がゴールではないということです。「隠れ検討層」を獲得し、「興味・関心層」を引き上げる。その先にある目的は案件化から商談へとつなぐことです。そしてそのためには、「顧客情報の管理」と「顧客体験の管理」の仕組みが連携していることが重要です。例えば、ウェビナーを連続して開催する場合では参加者の管理の仕組みと、配信の仕組みが連携していれば、ウェビナー参加者の申込みから視聴URL配信、アンケートを管理する顧客管理システムと、ウェビナーの配信システムを組合せて、顧客体験を構築していくことが可能なのです。

たとえば、シャノンであれば、参加者向けの案内メールに配信システムの視聴URLを自動的に記載し、配信システム側の視聴履歴を、顧客管理システムに反映させるといったことが可能です。

「顧客情報の管理」と「顧客体験の管理」の仕組みが連携しているのと、そうでないのとでは施策の効果が格段に異なってくるのです。

顧客情報にもとづく集客メールの打ち方

ウェビナーの場合、最初に集客用のメールマガジンを打って、次もまた集客用のメールマガジンを打つ、つまり全件配信を2回するという形になってしまうと顧客情報をきちんと把握していることにはなりません。

たとえば、メルマガを打つ際に、ABテストをおこないどういうキーワードが有効かを見た上でメールを打つことです。また、紙のDMはコストがかかるので、企業規模や役職分析やスコアリングでセグメントした層に送るといった具合に、管理した顧客情報に基づいてメールを打つなどの方法をとるべきでしょう。
その場合、それぞれの施策での結果が一元的に管理されていなければなりません。

前編で紹介したAさんの例のように、アンケートの回答が「情報収集」であっても過去にイベントに参加しているとか、半年以内に3回のセミナーに参加しているということがわかると、アプローチの仕方は変わってきます。その人は、情報収集をしているのではなく、「収集した情報を社内にうまく展開できていないのでは」という仮説が成り立ちます。

MAのスコアリングや履歴情報から、顧客の状況の読み解くことができるのです。そのためには、人と企業の情報が横断的に管理されている必要があります。多くのユーザーのWebへのアクセスやウェビナーの参加の履歴を、解析した場合、MAのマッチングエンジンを用いることで、それぞれの会社の複数の部署の別々の人からアプローチしている状況を知ることができます。

そして、その会社が新規なのか、既存なのかを判定することで、メールの出し分けもできます。また、部署名や役職名、職種名を自動的に解析して、ターゲット別にセグメントをすることも可能です。部署名や役職名はフリーワードに近いので、従来のやり方では、グルーピングは難しかったのですが、シャノンのデータのクレンジング機能であれば、役職や部署名を自動的に解析しグルーピングもできます。

さらにシナリオ機能を使うと、お客様の興味範囲をフラグで管理することができます。例えば商材 ABC という三つの商材を扱っている会社の場合、商材Aと商材Cのウェブサイトにアクセスしているユーザーに、該当する商材の情報だけを送る、あるいは逆に商材Bもお薦めというメールを送るといったように、多種多様な打ち手を講じること大事なのです。

ウィズコロナの時代のアナログとデジタルの融合戦略

以上述べてきたことを整理すると、シャノンが考えるマーケティングDXとは、以下のポイントを踏まえた施策を展開することだといえます。

  • デジタルツールを活かしつつ、従来のアナログの手法を組み込む
  • 潜在的な関心層を発掘するためのWebトラッキング機能を活用する
  • 興味関心層を引き上げるための課題解決のウェビナーを展開する
  • 顧客情報とウェビナー配信などの仕組みを連携させる
  • 顧客情報のデータをクレンジングしターゲットに応じた打ち手を講じる

新型コロナウイルスの影響で企業のマーケティングのあり方が、大きく変化し、今後も、ウィズコロナの状況が続くと思われます。現在では、非接触型のデジタルの手法が脚光を浴びていますが、いずれはアナログの施策の再導入も必要になってくるでしょう。

シャノンは直近のデジタルへの対応だけではなく、長期的に役立つマーケティング体制の構築も実現できるマーケティングオートメーションです。
マーケティング・プロセスの変革に取り組まれているみなさまは、ぜひ資料をダウンロードください。